東武東上線地域初心者俳句講座終わる

1 本初心者講座のあらまし

実施日 令和5年4月2日(日)・8日(土)・16日(日)

場 所 川越駅東口多目的ホール(クラッセ川越6階)

講 師 爽樹俳句会河瀬俊彦代表、勝浦敏幸幹事長、伊藤弘幸句会統括

4月2日 (第1日目) 参加者33名 ・俳句の魅力・俳句の基本 ・基本1型

4月8日 (第2日目) 参加者28名 ・基本2型・3型・4型

4月16日(第3日目) 参加者23名 ・体験句会 清記・選句・披講・講評・受講感想

2 アンケート(22名回収)による受講者の感想

  • 受講の動機を「自分なりに俳句を作っているが、基礎を勉強したかった」が最も多く(9名)、続いて「俳句に興味があったが、自分でも作りたくなった」が7名でありました。
  • 講座内容への理解は、「よく理解できた」と「ほぼ理解できた」とを合わせると21名でありました。
  • 講座の感想は、「大変良かった」が15名、「まあまあ良かった」と合わせると21名でありました。
  • 句会への参加については「参加する」が5名、「参加したいが考慮中」が7名「参加しない」が5名とほぼ三分の一ずつでしたが、「参加しない」には、すでに参加している人が含まれています。
  • 爽樹俳句会への入会については、「入会する」が4名、「考慮中」が11名、無記入が7名でありました。

3 川越初心者サポート句会の発足

 今回、初心者講座を契機に、新たに句会に参加(見学希望を含む)した初心者は12名いました。皆月例句会に参加することになります。より早く句づくりの基本を身につけ、それぞれの句会に溶け込むためには、親密にサポートを行う必要があります。

 そのために、「川越初心者サポート句会」が発足しました。7名の申込みがあり、5月7日(日)のサポート句会には6名が出席しました。

テキスト等を用いた研修指導と句会での実践的指導を行い、初心者をサポートします。

 なお、サポート句会への参加は、一年間に限って認められます。

俳句総合誌掲載

○「俳句」株式会社KADOKAWA 2023年6月号

  作品8句  「水茎」 川口 襄(爽樹)

   水中花恥づかしさうに開きけり

   山椒魚徹頭徹尾山椒魚

   睫毛閉ぢ夢見心地の合歓の花

   水茎のまだ濡れてゐる落し文

   なめくぢらちよつと苛めてみたくなり

   紋様は神の差配や天道虫

   崩し方思案してをりかき氷          

   睡蓮の呪縛解かれて咲きにけり

○俳人協会ホームぺージ  俳句文学館 2023年5月22日

 今日の一句   川口 襄(爽樹)

  朴の花ひとり没日を見てをりぬ

平泉・中尊寺から高館に登り義経堂を拝す。時あたかも山の端に日が沈みゆく。帰りの石段を降りた辺りに大輪の朴の花が咲いていた。

「川口 襄集」自註現代俳句シリーズ12(19)

第14回(令和5年度)爽樹俳句会代議員会開催報告〈5月31日ウェスタ川越・多目的ホール〉

5月31日(水)、第14回(令和5年度)爽樹俳句会代議員会が行われ、今年は、40句会の幹事、役員、理事、顧問、選者、総勢48名が集いました。

合議制の運営をしている爽樹では、年に1度の代議員会は総会に相当する重要な組織としての意思決定の場です。

会に先立ち、小山徳夫顧問の『季語随想などエッセイ集』出版祝賀会が執り行われました。全会員のお祝いの気持ちとして、記念品などが贈呈されました。

河瀬俊彦代表より小山徳夫顧問に記念品贈呈

代議員会冒頭、河瀬代表からの挨拶では爽樹が発足した平成22(2010年)年12月の第1回目の代議員会に触れ、出席者が何倍にも増えていることを例に爽樹俳句会の発展について述べました。

特に令和5年度特筆すべきことは、会員の対前年11%増加で、浦和新句会発足、既存句会の会員増加、会員増加キャンペーンなど関係者の努力の成果が出ております。

開会のあいさつをする河瀬代表

本年度の主な議事事項は次のとおりです。

・役員人事について

・令和4年度事業報告について(句会の状況、行事、決算、「爽樹」誌発行状況など)

・令和5年度事業計画について(活動方針、行事、「爽樹」誌発行計画など)

・令和5年度予算について

以上の議事事項につきまして、満場一致で採決されました。

続いて次の報告事項がありました。

・役員会、研修部の運営状況について

・他結社との交流、俳句総合誌の掲載について

・句集出版のおすすめ

・ホームページについて

今年度は、「テーマ別俳句大会」からテーマ・季節を問わない「爽樹俳句大会」への衣更へ、コロナ禍に影響を受けない新しい形の「新春俳句大会」を計画しています。

また、会員の高齢化等の環境変化に適応する対策を講ずる目的で昨年度から「改善検討委員会」が発足し、初心者のためのサポート句会もスタートしています。

議事終了後、出席者の自己紹介の後、意見交換を行いました。

初心者のための3句投句制(通常は5句)新設について議論したほか、会員募集のアイデア、ホームページへの要望など様々な提案がありました。また、句集を出版した方より経験談を聞くこともできました。

代議員会模様

以上

令和五年度俳人協会埼玉県支部俳句大会

令和五年五月三日 於 さいたま文学館(桶川市)

事前投句の部(「爽樹」入選者)

 三位  鉛筆を耳に戻して鰹糶る       川口  襄

 六位  そよ風を着流すやうに春ショール   佐藤 良夫

 八位  山眠るふところ深く銃の音      黒岩 裕介

 十位  住み古りしここもふるさと初桜    小倉美恵子

 十五位 大いなる野火のはじめの火種かな   坂本ひさ子

当日句の部(「爽樹」入選者)

 黒岩裕介選 特選

 栗原憲司選 特選

 夕暮れは明日の入り口桐の花      河瀬 俊彦

田口 登選 特選

母の日や母は教師でありつづけ      田中 康雄

令和五年度俳人協会埼玉県支部俳句大会

令和5年5月3日、さいたま文学館(桶川市)において俳人協会埼玉県支部俳句大会が催されました。

事前投句の部の「爽樹」入選者は次のとおりです。

 第三位  鉛筆を耳に戻して鰹糶る       川口 襄

 第六位  そよ風を着流すやうに春ショール   佐藤良夫

 第八位  山眠るふところ深く銃の音      黒岩 裕介

 第十位  住み古りしここもふるさと初桜    小倉美恵子

 第十五位 大いなる野火のはじめの火種かな   坂本ひさ子

当日句の部の入選者は、次のとおりです。

黒岩裕介選 特選

栗原憲司選 特選

 夕暮れは明日の入り口桐の花    河瀬 俊彦

田口登選 特選

 母の日や母は教師でありつづけ   田中 康雄

俳句総合誌掲載

〇「俳句」KADOKAWA  2023年5月

令和俳壇 推薦 森田純一郎選(「かつらぎ」主宰)

   祈る者祈らるる者阪神忌   黒岩裕介(爽樹)

【選評】

平成七年一月十七日早朝に兵庫県南部地方で発生したM七・三の大震災は、六千四百人を超える死者・行方不明者を出し、宝塚市の私の家にも避難命令が出された。震災後二十八年が経過した今もその日には鎮魂の祈りを上げ続ける。


〇「俳壇」本阿弥書店 2023年5月

俳壇ワイド作品集  今月の有力同人

   ふきのたう    黒岩裕介(爽樹)

  灯台の細身うつくし春岬

  舟運の今は昔や冴返る

  日溜りを少し広げてふきのたう

  うすらひに翳る命のほの明り

  耕しを尽くして天の広さかな

  牡丹の芽いつか喧嘩をしかけさう

  人の世は赦しゆるされ桃の花


〇「俳句界」文學の森 2023年4月

全国の秀句コレクション

  厨の灯消してちちろに闇返す   山崎京子(爽樹)

俳句総合誌掲載

〇「俳句四季」東京四季出版 2023年4月

「特集 575は突然に 俳人誕生STORY」

どんなきっかけ、どんなタイミングで俳句を始めたか

 かなかなや主なき庭の給餌台   「爽樹」代表 河瀬俊彦

[要旨]

俳句を始めて三か月目の作品、何とか俳句が続けられそうだと思えた句である。

 受講した初心者講座で印象に残ったのは俳句の四つの基本型(藤田湘子考案)である。この基本型は自分の思いを俳句にする際の強力な助っ人を得た気持ちだった。

掲句は、私と同年齢で良く垣根越しに話しをしていた隣のご主人が亡くなった時の私の心境を詠んだものである。基本型の助けがなければ俳句にする事ができなかっただろうと今でも思っている。

俳句総合誌掲載

〇「WEP俳句通信」vol.132

珠玉の七句   河瀬俊彦(爽樹代表)

  冬の水

湧水のやがてせせらぎ冬すみれ

せせらぎの返す木漏れ日青木の実

水底に落葉綾なすアラベスク

水琴窟の音となりたる冬の水

みづうみは鳥の楽園山眠る

沼の皺と見えたるものは初氷

雪掻に工場の朝の始まりぬ

狭山湖

〇「俳壇」2023年3月号(本阿弥書店)

現代俳句の窓   谷川信子(爽樹会員)

  薄化粧

空耳に起こさるる朝花ぐもり

うららけし予定なき日の薄化粧

花菜風明日の出会ひを夢占

ぬかるみのごとき当節陽炎燃ゆ

春愁や小さきポッケに青い鳥

一日の起承転結目刺焼く

令和4年度テーマ別俳句大会「旅を詠む」

令和4年度は「旅を詠む」をテーマに俳句大会が開催され、爽樹俳句会会員から256句(128名)の作品が寄せられました。

6名の選者による特選と選評、および互選入賞句の上位7位までは次のとおりです。

特選と選評

石川 一郎選 『俳句』編集長

特選 旅のやど寝返る先の去年今年    よしだようこ

(選評)寝返りというある一瞬の、なんでもない造作と、悠久の、且つまた、繰り返される当たり前の生活実感としての時の流れ、というものが絶妙に響きあっていると感じました。「先の」という接続も、地味ながら実に練られたもので、去年今年と言えばこの句、という忘れられない一句となりました。

上野 佐緒選 『俳句四季』編集長

特選 停泊の船の痩せゆく炎天下      早山きえ子

(選評)まず、「船の痩せゆく」という表現が素晴らしい。私はこのような表現を俳句で見たことがなかった。炎天下、真夏の暑い盛りである。あらゆるものが暑さで歪んでゆくように見える。港に停泊する船もまた。暑さを活写するような一句でどこか格調も感じさせる。

奥田 洋子選 『俳壇』編集発行人 

特選 宇宙へと旅立つここち蚊帳の中    黛  道子   

(選評)蚊帳の藍色と穏やかに波をうつベールが、宇宙を思わせるのだろう。その想像力の柔軟さと、蚊帳から宇宙への飛躍の大きさが魅力的。実際に旅へ行けなくとも、蚊帳の中から広々とした旅へ誘われる。

松本 佳子選 『俳句界』副編集長

特選 宇宙へと旅立つここち蚊帳の中    黛  道子

(選評)蚊帳の中は、薄布一枚で日常から隔絶された気分になります。その中に居ることを「宇宙へと旅立つここち」と表現。180度囲われている状況が、プラネタリウムと似ているためか、はたまた蚊帳の中の静けさが、宇宙空間へ心を飛ばしたのか。小さな空間から大きな宇宙へ旅立つ心地は素晴しいものだっただろう、と推察します。

河瀬 俊彦選 爽樹俳句会代表

特選 葛の雨壱岐に出会ひし曽良の墓    三宅 照一

(選評)奥の細道に随行した曽良の終焉の地は壱岐である。幕府巡見使の随員として壱岐を訪れた曽良はそこで病を得て、客死したのである。この句の独自性は自分の旅先で曽良の人生の旅に思いを馳せるという、旅の入れ子構造になっていることだが、「葛の雨」も効いており、今回のテーマ詠にふさわしい秀句である。

勝浦 敏幸選 爽樹俳句会幹事長

特選 祖父の待つ島の桟橋花みかん     谷川 信子

(選評)船から身を乗り出すように桟橋に祖父の姿を探す。近づくにつれて、はっきりと祖父の姿が見える。島は今蜜柑の花盛り。緑の中に白い小さな花がたくさんついているのが分かる。作者の心は懐かしさで一杯になる。「花みかん」の爽やかな芳香がよみがえる。祖父との想い出が次々と湧き起こる。平明に景を詠んで深い情を滲ませた。

互選入賞句(上位7位までを抜粋)

1位 23点 夜濯も慣れて八十路の一人旅       秋山  正     

2位 17点 祖父の待つ島の桟橋花みかん       谷川 信子

3位 17点 ふる里ももはや旅人法師蟬        新井 春枝

4位 16点 風花やあの日の宿はダムの底       小林 恵子

5位 14点 広島がヒロシマとなる秋の旅       河瀬 俊彦

5位 14点 生くるとは戻れざる旅二重虹       半田 卓郎

7位 14点 かりがねや絵筆を洗ふ千曲川       岩淵  彰