俳句総合誌掲載

〇「俳句四季」 東京四季出版 2024年8月号

「四季吟詠」自由 浅井慎平 選

特選 春なれや坊ちゃん電車とことこと   荒川清司(爽樹)

【選評】このところ、こころのどこかが暗く、何か重い感覚に包まれていた。そんなところに、坊ちゃん電車が「とことこと」リズムに乗ってやって来た。いや、この句の作者の話ではない。それを読んだぼくのこころの線路に、だ。これを読んだぼくのこころは「とことこ」と踊った。何だか嬉しくなった。春はこうでなくてはいけない。作者の清司さん、ありがとう。とても気分のいいリズムを持った句でした。勿論、そのメロデイも軽やかで、温かく、オリジナリティに充ちていました。