令和4年度代議員会の開催〈5月31日ウェスタ川越・多目的ホール〉

爽樹俳句会は、主宰を置かず任期のある代表制と合議による民主的運営を特徴としており、毎月の役員会と年度初めの代議員会が組織運営の要となります。毎年この時期に各句会幹事、役員等が集って代議員会を開催し、前年度事業報告、当年度事業計画や予算などの審議を行っております。

本年は、5月31日(火)に第13回爽樹俳句会代議員会が行われ、39句会の幹事、役員、理事、顧問、総勢48名が集いました。

はじめに河瀬代表よりあいさつがあり、「代議員会は爽樹俳句会にとって、最も大切な会議のひとつである。報告事項は簡潔にして、有意義な意見交換の場にしたい」と期待の言葉が述べられました。

挨拶する河瀬代表

本年度の主な議題は次のとおりです。

  • 役員人事について
  • 令和3年度事業報告について(句会の状況、行事、決算、「爽樹」誌発行状況など)
  • 令和4年度事業計画について(活動方針、行事、「爽樹」誌発行計画など)
  • 令和4年度予算について
  • 規約の改正について
  • 役員会、研修部の運営状況について
  • 他結社との交流、俳句総合誌の掲載について
  • ホームページについて
  • テキストの改訂について、小山徳夫元代表のエッセイ集について等

昨年度に引き続き、コロナ禍で句会の中止、若しくは通信句会への切り替えなど句会運営は厳しい年度が継続されましたが、令和3年度は幸い会員数の増減がなく、句会参加者は1%減程度で運営することができました。

見交換会の様子 : 代議員会会場


議事終了後、出席者の自己紹介の後、意見交換を行いました。

主な意見として、「句会間で選者の入れ替えをしたり、他句会の選者を迎え入れたりすることで緊張感が生まれ、良い刺激になるのではないか」との提案が出されました。この意見に対し、「他句会から選者を招くのは良いが、選者を入れ替えることには疑問がある」との意見もあり、幹事、選者を交え活発な議論がなされました。

さらに、句会運営にもっとインターネットを活用すべき等の提案も出されました。今年度は、「川越吟行俳句大会」、「テーマ別俳句大会」、「新年俳句大会」の開催。

また、初心者講座の開設、ホームぺージによるPRを更に進める予定です。

俳句総合誌掲載

〇「俳句四季」2022年5月号(東京四季出版)

作品16句 「命の春」 河瀬俊彦(爽樹代表)

 宙を舞ふ雪代山女しなふ竿

 山茱萸の光をこぼし()みこぼし

 日だまりは幸せだまり犬ふぐり

 草青む子犬は鼻をうごめかせ

 老木の匂ふばかりの芽吹きかな

 春耕の小石ひろへばまた小石

 春泥のはね一つ付けランドセル

 春の日のふくらむ関東ローム層

 外道とて桜うぐひを放ちけり

 ころころと小石ころがす春の波

 海城の濠に乗りこむ桜鯛

 ぶらんこを漕げよ一番星めがけ

 ゆりかごのやうなるしだれざくらかな

 退院日つげられし日や辛夷咲く

 春茱萸や峠を越えて登下校 

 ふと我に返ればひとり磯あそび



〇「俳壇」2022年5月号(本阿弥書店)

作品6句 「男の座」 半田卓郎(爽樹顧問)

 荒廃の野に命継ぐ冬木の芽

 雲を恋ひ雲を浮かべて薄氷

 梅開く宿木は亡き男の座

 一徹を通す生き方臥龍梅

 燕来る枯山水の日溜りに

 高々と舞ふ双蝶に空無窮



〇「俳句界」2022年6月号(文學の森)

作品10句 「雲の峰」半田卓郎(爽樹顧問)

 身を捨つる美学に徹し夏椿

 沖遠く泳ぐ我が子の赤帽子

 白杖の人と分け合ふ片かげり

 行かざりし片方の道や雲の峰

 かなはざる夢は夢とし水中花

 海底の珊瑚白化す沖縄忌

 世に多き戦の兆し敗戦忌

 断崖に途切るる隠岐の大夏野

 団梯子登る山小屋月涼し

 雲の囲の方形ゆがむ夕日影



〇「俳句界」2022年6月号(文學の森)

   雑詠 角川春樹(「河」主宰)選

特選 鈴木正浩(爽樹会員)

長々とリードの伸びて春野かな

 (選評)省略の大胆な作品だ。リードの先に愛犬がいることが想定されるが、長々と伸びたリードを画くのみにとどめている。青々とした野に来て、リードをいっぱいに伸ばしながら愛犬が喜び駆けまわっているのだ。

初心者俳句講座開催報告

令和4年4月、北浦和において「初心者のための楽しい俳句講座」を開催しました。

新聞、チラシやホームページなどを通じて参加者を募集したところ、32名の応募者がありました。

開催日時 : 令和4年4月23日(土)13:00~16:30

開催日時 : 令和4年4月27日(水)13:00~16:30

開催日時 : 令和4年4月30日(土)13:00~16:30

開催場所 : 常盤公民館(さいたま市浦和区)

講師は爽樹俳句会河瀬代表、勝浦幹事長、伊藤句会統括が務め、名句鑑賞などを混じえつつ俳句の魅力、作り方の基本を紹介しました。最終日には句会を体験していただき、盛況のうちに終了しました。

講座にご参加頂いた方が中心となり同会場において浦和句会が立ち上がりました。第1回目の句会は5月11日に行われ、受講生14名の方が参加しました。

初めての句会に最初は緊張気味だったメンバーも選句・鑑賞に入り、思い思いの感想を述べられ時には笑いがあり、和やかなうちに終了しました。

更に2名の方が6月より参加予定です。また、他9名の方は、お住まいから近くの句会に加入しました。

講座の様子 : 常盤公民館