第1回選者情報交換会開催

令和3年6月26日(月)10時~12時;ウエスタ川越 会議室2

出席者

阿部昭子、勝浦敏幸、河瀬俊彦、黒岩裕介、小林眞彦、小山徳夫、斉藤道 正、谷川信子、橋本良子、半田卓郎、村田菊子、一瀬正子 (欠席:川口襄、神崎康光、黒須洋子)

趣旨

 爽樹は、合議制による集団指導体制により運営しております。設立時の選者は4名で句会は14句会でしたが、10年経過して現在は選者14名で句会は33句会となりました。このような現状から年数回は一堂に会して情報交換するのは有意義なことと考えます。

情景主義、有季定型、文語文法、旧仮名遣いという爽樹の基本的な指導方針はテキストなどに明示されており明確ですが、それ以外の例えば季重なりの問題、口語俳句の問題など、選者情報交換会でこれらの問題を議論し一定の方向性が出せればと思っています。その意味で編集長にもこの会のメンバーになって頂きました。

本日は第1回目なので

・日頃句会で苦労していること、工夫していること

・今後、この会で議論すべき事項

等について自由に話し合って頂きたい。          (代表 河瀬俊彦)

討議概要

1.爽樹の句会の評価基準は、特選、秀逸、普通選、選外の4段階評価であるが、未だ 選外をつけていない句会もいくつかある。

2.季重なりに関しては、俳壇としては容認する傾向である。但し初心者については一季語で作句し季語に習熟するよう指導する。季重なりの取り扱い、考え方は爽樹テキストの記述に準拠する。

3.俳句の発想法に関して、先師小澤克己は、俳句の発想は過去の知識の蓄積から「ポタっと落ちてくる」ものであるとしているが、一般には自然事象から五感を通じて発想する所謂写生である。爽樹の吟行重視の指導方針は変わらない。

4,句会運営の工夫

 芭蕉などの文献紹介演習、感銘句・難解句などの学習、選句演習、兼題・席題の採用、郵便添削指導、など、各選者が工夫して実行していることを紹介した。適宜参照する、

次回以降の予定

12月の拡大役員会の日に開催する。予めテーマを設定する。 

                            (文責 半田卓郎)

石神井公園吟行句会

所沢鍛練句会は、5月22日(土)石神井公園の吟行句会を行いました。走り梅雨で雨模様の日が続きましたが当日は幸い雨も降らず時折日差しものぞく曇り空でした。この会は、定点吟行を実施して同じ所に季節を変えて吟行して季感を磨くことを目的としております。

石神井公園は、練馬区にある豊かな自然と史跡のある公園として都民の憩いの場です。三宝寺池と石神井池の二つの池を中心に構成されて居り、豊かな自然と石神井城の史跡や伝説もあり武蔵野の面影が多く遺されております。国の天然記念物である沼沢植物群落をはじめとして自然がそのまま遺されており、土塁と濠の城址や練馬ふるさと文化会館や古民家を始め、三宝寺、道場寺など神社仏閣も隣接しております。

当日は都の緊急事態宣言中でしたので、吟行及び句会は特に感染対策に留意して開催しました。隣接の文化会館の広い会議室を借用し、マスク着用、検温実施、座席は間隔を充分取り且つ換気に留意して当日参加者14名により開催いたしました。

緊急事態宣言下で色々な場所が閉鎖され、行動制限がある中ですが、安全には充分留意しつつこうした自然との出合い、人との出合いは、「今」を生きているからこそで、大切なことであります。

      半田卓郎選 特選三句

      隠れ棲む蛍袋や父母の魂       麻生昭子

      咲き満ちて千の睡蓮鎮もれり     河瀬俊彦

      水脈伸ばしひとりが好きと通し鴨   小林久子

      橋本良子選 特選三句

      山法師御成の門は雨に寂び      茂木 勲

      咲き満ちて千の睡蓮鎮もれり     河瀬俊彦

      神々の宿る枝先花樗         麻生昭子

三宝寺池の睡蓮

咲き満ちて千の睡蓮鎮もれり     河瀬俊彦

栴檀の花

栴檀の花満ちて地に溢れたり   半田卓郎

睡蓮

睡蓮の白いとしくも寄りがたく  小林久子

かいつぶりの親子

浮巣みて一人二人と寄る笑顔   橋本良子

                          以上

                   写真提供;茂木勲   文責:半田卓郎

第12回爽樹俳句会代議員会

 代議員会は各句会の幹事や役員など46名が参加して行われました。開会に先立って3名の会員物故者に黙禱をささげました。 はじめに河瀬代表による開会挨拶があり、コロナ禍の中句会の運営に当たる句会幹事を労りました。

挨拶する河瀬代表

つづいて〈議事の部〉に入り、第1号議案令和2年度事業報告(案)として勝浦句会統括より38句会の会員状況や会計状況についての報告がありました。

令和2年度は、コロナ禍の影響で中止もしくは通信句会への切替えを余儀なくされた運営の難しい年度であり、かつ会員数(186名)、句会参加者数(延べ572名)がともに減少した年度でした。

十周年実行委員会各委員より十周年事業(「季語別選集」の発行(小林)、「爽樹の理念」のリーフレット発行(河瀬)、「爽樹」創刊十周年記念俳句コンクール(一瀬)、「爽樹」創刊十周年記念特集号の発行(一瀬)及び「爽樹」創刊十周年記念俳句大会(赤池)の報告がありました。

「季語別選集」はA6判306ページの小冊子で、先師小澤克己の句631句及び会員のうち168名からの5,133句が掲載されています。

「俳句コンクール」は会員年数の短い会員に作品10句の部を設けたところ29名の応募があり、作品20句の部には33人の応募がありました。

「俳句大会」には137名、274句の応募がありました。

また、「爽樹」創刊十周年記念事業基金として会員等176名から145万3千円の寄付が集まったとの報告(港)がありました。

港会計担当より第2号議案令和2年度決算報告(案)、第3号議案十周年事業収支決算報告(案)について説明があり、黒岩会計監査人よりそれぞれの会計監査報告がありました。

以上を諮り、全会一致で可決されました。

第4号議案令和3年度事業計画(案)として、河瀬代表より活動方針が、斉藤企画運営担当より事業計画が説明されました。計画では、令和2年度にできなかった吟行俳句大会(9月・川越)、新年会並びに新年俳句大会・句集出版記念祝賀会(1月・川越)、令和2年度の十周年記念俳句大会に続きテーマ別俳句大会「遊びを詠む」を行うとの説明がありました。なお、バスを使用する研修旅行と竹寺俳句大会は提案されませんでした。

つづいて、第5号議案令和3年度収支予算(案)について港会計担当より説明がありました。

以上を諮り、全会一致で可決されました。

第6号議案規約改正(案)について勝浦幹事長より拡大役員会(役員・理事・顧問)に更に選者を加えるとの説明があり、諮ったところ全会一致で可決されました。

つづけて〈報告の部〉に入り、河瀬代表より報告1役員会運営状況、報告2研修部関連状況、報告3結社・出版社交流状況、報告4外部俳句大会への投句の勧めの報告がありました。

さらに、勝浦ホームページ委員長より報告5ホームページのリニュ―アルについて報告がありました。

30分の休憩をはさんで出席者全員による〈意見交換の部・司会港、赤池〉に移りました。

80分に及ぶ話し合いが行われましたが、その中で、句会では俳句の批評だけでなく基本的な知識の誤りについても遠慮なく指摘をお願いしたいという意見や他の句会に出られるよう文書で勧めてほしいとの要望などが出されました。

文書による通知は出さないものの相互の句会参加はこれまでも認められているとの回答がありました。

最後に松本副編集長による閉会の辞により代議員会は終了しました。

意見交換会の発言の様子

                              以上

写真提供;齊藤博之  文責:勝浦敏幸

「爽樹」創刊十周年記念俳句大会

「爽樹」創刊十周年記念事業の中、「小澤克己句碑建立俳句大会」と「記念祝賀会」はコロナ禍の為、相次いで中止となった。

「爽樹季語別選集」、「爽樹の理念」のリーフレット、「爽樹」創刊十周年記念特集号は予定どおり進み既に発行されている。

さらに「爽樹」創刊十周年記念俳句コンクールは、「爽樹」創刊十周年記念特集号に結果が詳細に掲載されている。

「爽樹」創刊十周年記念俳句大会は、爽樹誌3月号に結果が掲載された。今回はその結果を抜粋で紹介する。

岩淵 喜代子選「ににん」代表

特選  名月に濡れざるものを影といふ    黒岩裕介 

(選評)月光に照らし出されたものと、そうでないものを区別することで、風景を模様化させている。ともすれば曖昧で情緒的になりがちな影や月光を具象化させたのである。そのために、シュールな風景に見えたり、童画の様に思えたり、どこか懐かしさを感じさせたりする。

準特選 静けさの野点を包む月明り      中臣由紀

準特選 星月夜爽樹の下の詩人たち      斉藤道正

佐怒賀 直美選「橘」主宰

特選  そこひなき闇のにほひや地虫鳴く    松浦雅美

(選評)実景でありながらも幻想的な世界を、端的に上手く詠み切った。誰もが聞き、感じたであろう、現世と冥界とを繋ぐような「地虫の声」が、「闇のにほひ」に焦点を当てたことにより、臨場感をもって一気に迫って来る。また、「そこひなき」が垂直軸の無限の深さを強調し、今にも足下の「闇」に果てしなく落花していきそうである。

準特選 渓流を滾らせてゐる曼珠沙華     山口昌志

準特選 みなしごの馬の瞳や赤のまま      野木和美

山田 貴世選「波」主宰

特選  より高く風を捉へて鷹舞へり     坂本ひさ子

(選評)古来から鷹狩りに用いられたり「一富士二鷹三茄子」と、初夢では𠮷舞の代表ともなっている鷹。また「鷹は餓ゑても穂をつまず、渇しても盗泉の水は食はず」とも言い猛禽であるが、その姿には威厳もある。掲出句、高く舞い上がり獲物をねらう鷹の姿を的確に捉え格調高く詠われた。

準特選 学舎は心の母港樟若葉        永田歌子

準特選 爽やかに樹は育ちつつ一昔      小林公一

吉田 千嘉子選「たかんな」主宰

特選   ふる里の冬日ゆたかに沈みけり   関田愛子       

(選評) 冬の(よろ)日が大地を華やかに染めながら沈んでゆく。圧倒的な夏の落日とは違う別の美しさがあり、ふる里を持つ誰もが知っている光景である。どんな時も太陽は朝に昇り夕に沈み、私たちに力を与え続けてきたことを改めて思い起させる。平明な読みが心地よく、「ゆたか」と「沈む」、一見対照的な措辞に深さを持たせて見事。            

準特選 一徹の父大輪の菊咲かす      須藤綾子

準特選 十年経て緑蔭をなす爽樹かな    河瀬俊彦

河瀬 俊彦選「爽樹」代表

特選  卓上に木の実ひとつと星図鑑    橋本良子

(選評)木の実と星図鑑、読み手に差し出されたのはふたつの物だけ。後は読み手に任せるという潔さがこの句の魅力。昼は野山で遊び、夜は星空を眺め、秋を満喫しているのだろうか、それともそれがかなわぬようになり、過ぎ去った日々を回想しているのだろうか。名詞と助詞だけで良い句が詠めることを示す句である。

準特選 夜学子の授業の前の握り飯    鈴木正浩

準特選 慶びの爽樹の空を蒼鷹      松本きみ枝

川口 襄選「爽樹」名誉顧問

特選  星空へ吸ひこまれゆく初蛍     早山きえ子 

(選評)暑い日暮れ後、かりがね句会の仲間と新潟の田舎で「蛍狩り」に参加。森の小暗い道を進むと、突然青白い炎の乱舞に目を疑う。丁度蛍の端堺期で大小の源氏蛍と平家蛍が入り乱れ飛ぶまさに幻想的な光のページェントだ。蛍の生態を見事に捉え、蛍への愛情を込めて星空と取り合わせたスケールの大きいメルヘンチックな佳句となった。

準特選 貴婦人と妖婦のはざま鳥兜     佐藤良夫

準特選 一つづつ漁火の消え冬銀河     片山茂子 

互選入賞句より

一位   返事せぬことも返事やちやんちやんこ   黛  道子

二位  小鳥来る城下に百の投句箱      一瀬正子

同   小春日や遺品の中に「母子手帳」  松本光子

四位  天を突く宣誓の腕風光る       町田美枝子

五位  夜学子の授業の前の握り飯     鈴木正浩

同   一つづつ漁火の消え冬銀河     片山茂子

                                                                      〈文責:勝浦〉

吟行句会(新樹句会)<さくらと菜の花>

令和3年3月31日

快晴の麗らかな一日、西武新宿線航空公園駅から徒歩で、所沢航空記念公園及び東川沿いの桜並木で折から満開の桜を堪能し、次に、ところざわサクラタウン(角川武蔵野ミュージアム)を見学、JR武蔵野線東所沢駅に至るコースです。

航空公園菜の花
航空公園白花たんぽぽ
東川の花筏
東川の花筏

散り始め早や渋滞の花筏    小山徳夫(顧問)

<定期的に吟行を行う句会は、銀嶺、新樹、所沢鍛練、の3句会です。ご関心のあるお方は「見学・入会案内」の、問い合わせ欄から、お問い合わせください>

第4回爽樹研修旅行

「井上井月ゆかりの地と伊那谷の美しい自然を訪ねる」(平成27年5月7日~8日)

幕末維新の乱世を風狂に生き・死んだ俳人井上井月。
井月が三十有余年を過ごした伊那を訪れ、美しい自然に当時を偲び、150年を経たその作品に想いを新たにする事が出来た。1泊2日のバス旅行に爽樹会員35人が参加し現地での句会を楽しんだ。

桜の名所で井月の句碑がある。「何処やらに鶴の声聞く霞かな」

一望の伊那谷、蝶の舞う、麦畑を通り 井月の墓参りへと歩む。

井月の墓 (自然石の丸い墓石が2つ重ねてある)

明治20年伊那・塩原家で66年の生涯を終えた。
磨滅して判読できないが、墓石に刻まれている句
「降るとまで人には見せて花曇り」

井月墓所にある表示板

花と緑の川越吟行俳句大会 開催

俳人協会埼玉県支部主催  平成27年9月26日(土) 川越やまぶき会館

爽樹俳句会が、地元結社として事務局を担当しました。
事前投句者225名(投句450句)、当日参加者134名(投句402句)。
幸い前日の雨が晴れて、吟行日和で、盛会裡におえることができました。

特選句・高点句から

〈事前投句〉

特選句から

   栗原憲司選
夏つばめ小江戸育ちを誇りをり神崎 康光
   杉良介選
今に聞く江戸の鐘の音かき氷小峰 光子
   川口襄選
ジオラマの街を彷徨ふ蟻の影本田 久美

高点句から

ふだん着の母しか知らず茄子の花小黒 黎子
長き夜のおのずと母の辺に集ふ吉田 静子
秋の海風より白き貝を売る龍野 龍

〈当日句〉

特選句から

   稲田眸子選
秋祭待つ校庭の大きな木星井千恵子
   小山徳夫選
白露は武士の涙か野戦跡阿部 昭子
   佐怒賀直美選
前をゆく棒菓子の丈秋の天星井千恵子

高点句から

川越を空つぽにして稲雀ふだん着の母しか知らず茄子の花黒岩 裕介
喜多院の鶯張りも秋の声佐々木建成
秋声を聞く福耳の羅漢さま増田 信義

所沢鍛練句会:石神井公園吟行句会

平成27年10月31日

当句会は、年間6回の定点観測吟行句会を計画し、4回は航空記念公園、
2回は石神井公園を吟行している。
石神井公園は、前回5月初夏の吟行会で、ゲスト選者として小山名誉顧問にも参加戴いた。
今回の晩秋の吟行会は、ゲスト選者として東京鍛練梓句会の環順子さんに参加いただいた。

晩秋の石神井公園は、紅葉も始まっており特に小鳥の楽園であった。

特選句から

   環順子選
楝の実鳴るや曇天明るくす水野あき子
桂黄葉匂へば母の冬仕度茂木 勲
泛びでて流離を悟るかいつぶり松代 忠博
   半田卓郎選
森閑と時うつろへり秋翡翠水野あき子
名木の気根にふれし十月尽環 順子
城跡に姫の涙や草紅葉片岡 啓子
三宝寺池(撮影:半田 卓郎)
沼杉(落羽松)の気根(撮影:半田 卓郎)