○「WEP俳句通信」 株式会社ウエップ 136号(2023年10月14日発行)
円熟作家12句
「石神井界隈周遊」 半田卓郎(爽樹)
池の面に閃光のこし色鳥来
木道にトレモロ響き木の実落つ
池の辺のドラマ撮影式部の実
水底に浄土めく影櫨紅葉
首伸ばし漁る鷺の紅葉池
城址の落城の碑やうろこ雲
語り継ぐ姫塚の秘話秋の虹
木道の蟷螂我に身構へる
見上げたる紅葉の梢に三重の塔
古民家の縁の卓袱台月祀る
虚子訪ひし料亭跡や法師蟬
花木槿寺領神領隣り合ふ
○「WEP俳句通信」 株式会社ウエップ 136号(2023年10月14日発行)
円熟作家12句
「石神井界隈周遊」 半田卓郎(爽樹)
池の面に閃光のこし色鳥来
木道にトレモロ響き木の実落つ
池の辺のドラマ撮影式部の実
水底に浄土めく影櫨紅葉
首伸ばし漁る鷺の紅葉池
城址の落城の碑やうろこ雲
語り継ぐ姫塚の秘話秋の虹
木道の蟷螂我に身構へる
見上げたる紅葉の梢に三重の塔
古民家の縁の卓袱台月祀る
虚子訪ひし料亭跡や法師蟬
花木槿寺領神領隣り合ふ
初心者のための俳句講座を、所沢にて開催します。お気軽にご参加ください。
2023年7月
『幸子の四季』 小林 幸子 喜怒哀楽書房(爽樹句集シリーズ)
詳細は、「会員句集」のページをご覧ください。
〇「俳句」KADOKAWA 2023年9月号
令和俳壇 白岩敏秀選 (「白魚火」代表)
推薦 水遊び最後は泣いてしまひけり 黒岩裕介(爽樹)
【選評】夏の暑い盛りに庭でビニールのプールで遊んでいたのだろう。初めは機嫌よく遊んでいたが、悪戯がすぎたのか、何か不足があったのか泣きだしてしまった。予測の出来ない子供の行動に戸惑う親たちである。
〇「俳句四季」俳句四季出版 2023年9月号 俳句四季出版
花の歳時記 曼珠沙華 文:河瀬俊彦「爽樹」
曼珠沙華見えぬところに宝物 河瀬俊彦
曼珠沙華に関するエッセーと爽樹会員30人の作品紹介
〇「俳句」KADOKAWA 2023年7月号
令和俳壇 櫂未知子選 (「群青」代表)
推薦 せせらぎを着こなすやうに春ショール 佐藤舟若(爽樹)
【選評】
いわゆる直喩は、よくあるパターンではいけませんし、かといってあまりにも突飛では、読者がついてゆけません。この句の軽やかなたとえに共感する方が多いのではないでしょうか。さらりとしていて華やか、いい句です。
7月19日(水)ウェスタ川越において、オリエンテーションが開催されました。
オリエンテーションの目的は、①爽樹俳句会の全体像を知ってもらうこと②爽樹の理念を知ってもらうこと③ほぼ同時期に俳句を始めた仲間を知ってもらうことです。
3回目となる当日は猛暑にも関わらず、19名が参加されました。
河瀬俊彦代表と伊藤弘幸句会統括からの説明のあと、参加者から活発な意見・感想が述べられ、和やかな雰囲気のなか閉会しました。
【参加者からの意見・感想】
・「爽樹の理念」は大変勉強になった。特に爽樹の生い立ち、情景主義の意味も朧気ながらも理解できた。
・何となく初心者講座に参加し、爽樹に入会したが、今日の話を聞いて良いところに来たと思った。
・先輩方の17音の表現には感動する。自分も早くそうなりたい。 以上
芭蕉の『おくのほそ道』に登場する草加宿。その北側の「草加松原」は、日光街道の往時の雰囲気を伝える優れた景観地として、平成26年国の名勝「おくのほそ道風景地」に指定されました。旧日光街道の松並木が綾瀬川沿いに1.5kmに渡って続き、石畳が敷かれた遊歩道が松並木に沿って整備され、跨道橋である百代橋や矢立橋が架けられています。
6月29日、この地の一角にある草加市文化会館において第5回爽樹吟行俳句大会が65名の参加を得て開催されました。
《河瀬俊彦選》
天 蟻すすむ奥の細道行程図 内藤 紀子
地 タイル絵の江戸の行列青葉風 中武 純子
人 夏の雲芭蕉も曾良も旅に果つ 堀越 令子
《一瀬正子選》
天 我もまた往き交ふひとり松凉し 小峯千枝子
地 タイル絵の江戸の行列青葉風 中武 純子
人 百代の松籟今も梅雨の蝶 黒岩 裕介
《小林眞彦選》
天 松風に色転がれる江戸風鈴 中島ますみ
地 望楼より松千態の涼しさよ 一瀬 正子
人 蟻すすむ奥の細道行程図 内藤 紀子
《村田菊子選》
天 蟻すすむ奥の細道行程図 内藤 紀子
地 望楼より松千態の涼しさよ 一瀬 正子
人 梅雨晴に干すせんべいの生地白し 小林 眞彦
〇俳句総合誌「俳壇」本阿弥書店 2023年7月号
特集 俳句と風土-埼玉県―
住めばふるさと 河瀬俊彦(爽樹)
夕涼み灯台守の一家族
雨乞の島人仰ぐ日蓮像
語尾あがる若狭言葉やあいの風
八月や興安丸の着きし波止
花は葉に塵ひとつ無きけん二句碑
大空も湖も真青や若葉風
富士塚の五合目までの草を引く
蠛蠓を連れてトトロの森の中
海と湖(要旨)
「風土」と聞けば、すぐ思い浮かべる地が二つある。中学卒業までを過ごした女木島(香川県)と工場勤務をした舞鶴(京都府)である。この二つの地に住んでいた時に俳句を詠んでいれば、どんな句ができていたであろうと想像すると晩学であることが残念な気がする。
所沢(埼玉県)は都心近くにありながら、豊かな自然に恵まれているのが魅力である。狭山茶の茶畑が多く、「トトロの森」の保全活動が盛んである。さらには、多摩湖、狭山湖もある。いずれも私の散歩圏内にあり、句材には事欠かない。瀬戸内海の風土、日本海の風土、内陸の風土、いずれも好きな土地なので、その風土が滲む句が出来ればうれしい。
1 本初心者講座のあらまし
実施日 令和5年4月2日(日)・8日(土)・16日(日)
場 所 川越駅東口多目的ホール(クラッセ川越6階)
講 師 爽樹俳句会河瀬俊彦代表、勝浦敏幸幹事長、伊藤弘幸句会統括
4月2日 (第1日目) 参加者33名 ・俳句の魅力・俳句の基本 ・基本1型
4月8日 (第2日目) 参加者28名 ・基本2型・3型・4型
4月16日(第3日目) 参加者23名 ・体験句会 清記・選句・披講・講評・受講感想
3 川越初心者サポート句会の発足
今回、初心者講座を契機に、新たに句会に参加(見学希望を含む)した初心者は12名いました。皆月例句会に参加することになります。より早く句づくりの基本を身につけ、それぞれの句会に溶け込むためには、親密にサポートを行う必要があります。
そのために、「川越初心者サポート句会」が発足しました。7名の申込みがあり、5月7日(日)のサポート句会には6名が出席しました。
テキスト等を用いた研修指導と句会での実践的指導を行い、初心者をサポートします。
なお、サポート句会への参加は、一年間に限って認められます。
○「俳句」株式会社KADOKAWA 2023年6月号
作品8句 「水茎」 川口 襄(爽樹)
水中花恥づかしさうに開きけり
山椒魚徹頭徹尾山椒魚
睫毛閉ぢ夢見心地の合歓の花
水茎のまだ濡れてゐる落し文
なめくぢらちよつと苛めてみたくなり
紋様は神の差配や天道虫
崩し方思案してをりかき氷
睡蓮の呪縛解かれて咲きにけり
○俳人協会ホームぺージ 俳句文学館 2023年5月22日
今日の一句 川口 襄(爽樹)
朴の花ひとり没日を見てをりぬ
平泉・中尊寺から高館に登り義経堂を拝す。時あたかも山の端に日が沈みゆく。帰りの石段を降りた辺りに大輪の朴の花が咲いていた。
「川口 襄集」自註現代俳句シリーズ12(19)