俳句総合誌掲載

〇「俳句四季」東京四季出版(2024年8月号)

わが道を行く

新作15句 「竹落葉」 勝浦敏幸(爽樹代表)

     

振り回すタオルに湯の香新樹の夜

ダービーや鞭を片手に投キッス

散乱の小鳥の羽根や走り梅雨

点滅の信号の先雪解富士

雲間より光差し込む植田かな

飛び石を気まぐれな風竹落葉

本流に向かうてをりぬ竹落葉

朽ち果つる大倒木や苔の花

煙吐き鉄橋わたる青葉山

暫くは開け放ちおけ網戸の夜

鳰の子の親の背より落ちもせで

ががんぼが脚が長きと歎きをり

雨あとの洗はれし空百合香る

加減して揺らす幼のハンモック

花火師の冷めぬ興奮酒あふる