「再建の五浦温泉六角堂と国宝白水阿弥陀堂」(平成30年9月27日~28日)
今年度の研修は爽樹会員27名が参加。初日は曇天・小雨でしたが、翌日は天気にも恵まれ「爽樹晴」の下での旅行となりました。
五浦温泉六角堂は近代日本美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心の住居敷地(茨城大学五浦美術文化研究所)の一角、太平洋に張り出した岩盤の上に、天心自身の設計により建てられ「観瀾亭」と名づけられた赤い六角形のお堂です。 東日本大震災の津波により流失しましたが、再建されて平成24年4月28日より一般公開されております。
白水阿弥陀堂は永暦元年(西暦1160年)徳姫という女性が発願、建立されたと伝わる御堂です。阿弥陀堂は建造物として国宝に指定され、堂内には、阿弥陀三尊(国重文)、持国・多聞天王(国重文)が安置されております。現存する平安時代の阿弥陀堂が少ない中、浄土庭園も兼ね備えた、他に類を見ない御堂となっています。
宿泊先五浦観光ホテルでは、四時半より一日目の句会、引き続き七時から夕食と懇親会。
翌朝、午前六時恒例の早朝吟行、朝食後ホテルを出発、いわき市の白水阿弥陀堂へ。
帰路水戸ドライブインで二日目の句会を行い、すべての予定を終えました。
特選句 一覧
第一日目 : 兼題「心」を含め三句出句
川口 襄 選 「天・地・人」 | |
心奥に秘めし片恋秋黴雨 | 松吉 惠子 |
億年の地層を洗ふ秋怒濤 | 一瀬 正子 |
月の澄む海天心の志 | 小山 徳夫 |
半田 卓郎 選 「天・地・人」 | |
秋霖の窓辺昭和の歌流る | 小峰 光子 |
心奥に秘めし片恋秋黴雨 | 松吉 惠子 |
雲重き秋の五浦の怒濤かな | 小峰 光子 |
橋本 良子 選 「天・地・人」 | |
秋濤や岩場に確と六角堂 | 古川みさを |
億年の地層を洗ふ秋怒濤 | 一瀬 正子 |
詩心の結集の句座秋の宿 | 阿部 昭子 |
阿部 昭子 選 「天・地・人」 | |
晩景の六角堂や秋気澄む | 永田 歌子 |
億年の地層を洗ふ秋怒濤 | 一瀬 正子 |
童心の詩人の生家秋しぐれ | 橋本 良子 |
第二日目 : 嘱目二句出句
川口 襄 選 「天・地・人」 | |
僧と子の三途の話蓮は実に | 半田 卓郎 |
徳姫の夫への哀慕萩の花 | 永田 歌子 |
浄土へと続く反橋萩の花 | 坂本ひさ子 |
半田 卓郎 選 「天・地・人」 | |
鉱山の役目終へたる山装ふ | 本庄 準也 |
現生の浄土の庭に萩散華 | 秋山 正 |
露に裾しとど濡らして先導す | 小山 徳夫 |
橋本 良子 選 「天・地・人」 | |
僧と子の三途の話蓮は実に | 半田 卓郎 |
晴天も雨天も俳句花芙蓉 | よしだようこ |
こぼれ萩浄土へ渡る太鼓橋 | 川口 襄 |
阿部 昭子 選 「天・地・人」 | |
晴天も雨天も俳句花芙蓉 | よしだようこ |
秋爽の空駆け上る白き波 | 赤池英津子 |
さざ波の池秋爽の阿弥陀堂 | 小峰 光子 |
- 白水阿弥陀堂
- 句会風景