俳句総合誌掲載

○「俳句」株式会社KADOKAWA 2023年6月号

  作品8句  「水茎」 川口 襄(爽樹)

   水中花恥づかしさうに開きけり

   山椒魚徹頭徹尾山椒魚

   睫毛閉ぢ夢見心地の合歓の花

   水茎のまだ濡れてゐる落し文

   なめくぢらちよつと苛めてみたくなり

   紋様は神の差配や天道虫

   崩し方思案してをりかき氷          

   睡蓮の呪縛解かれて咲きにけり

○俳人協会ホームぺージ  俳句文学館 2023年5月22日

 今日の一句   川口 襄(爽樹)

  朴の花ひとり没日を見てをりぬ

平泉・中尊寺から高館に登り義経堂を拝す。時あたかも山の端に日が沈みゆく。帰りの石段を降りた辺りに大輪の朴の花が咲いていた。

「川口 襄集」自註現代俳句シリーズ12(19)