第7回爽樹所沢合同句会

於・所沢愛宕の杜ふれあい館  参加者43名(令和元年 10月30日)

秋爽の好日「第七回所沢合同句会」が、新所沢の愛宕ふれあい館にて開催されました。
八句会の参加者は四十三名。四名の欠席者を含め、百四十一句が投句されました。

 選者に鈴木すぐる先生(雨蛙主宰)をお招きし、河瀬俊彦爽樹幹事長、半田卓郎爽樹特別顧問、橋本良子爽樹顧問の四名の先生方。選者選は特選二句、秀逸八句を選んでいただきました。

鈴木すぐる・特選
墓仕舞ひ父母に詫びつつ墓洗ふ 小室 誠
言の葉の日ごと増す吾子竹の春 黒川 國子
 
   鈴木すぐる・秀逸
星月夜山の麓の一軒家寺門 正樹
稲みのり田んぼアートの現れて羽田野和江
秋燈下手に馴染みたる電子辞書 山崎 京子
野仏に紅の影曼珠沙華港  寿子
添水鳴る途絶へし詩の甦る青柳  勝
燎原のごとく広がる曼珠沙華 渡辺 市子
角乗りの蹴上げて白き秋の水 木村 順子 
     
   河瀬俊彦・特選
狛犬の影につまづく厄日かな 小室  誠
予後の歩に付きて近場の紅葉狩    木村 順子
 
   河瀨俊彦・秀逸
話し尽き無音の中の鉦叩      酒井 節子 
星月夜山の麓の一軒家          寺門 正樹
銀漢や根の国に居る父母の影     寺門 正樹
寡黙なる考の野良着の案山子かな  福地 敏子
愛犬と軒借る古都の秋時雨     鈴木 京
秋霖や黒き水輪の貯木場      木村 順子
小鳥来て夫と二人の朝餉かな     酒井 節子 
したたむる絵手紙だれに秋の夜    富宇賀恭子 
 
   半田卓郎・特選
恍惚の姉の指す庭小鳥来る 小室  誠
利尻まで徒歩で行けさう月の道      田中 久子
 
   半田卓郎・秀逸
話し尽き無音の中の鉦叩      酒井 節子
狛犬の影につまづく厄日かな    小室  誠
酔ふよりも蘊蓄ばかり新酒かな    小林 健二
花嫁にふと立ち止まる秋日かな   有田 俊一
句書積みて吐息のもるる長き夜   渡辺 市子
ルージュひく鏡の奥の秋思かな   山崎 京子
ひもじさを知る者同士新甘藷     新井 秀子 
飛石の歩幅に余る敬老日         岩瀬フジ子   
 
   橋本良子・特選
月の座の男外して宵の口        小林 久子
新蕎麦を待つ間娘に問ふくらし振り     新井 秀子
 
   橋本良子・秀逸
転がしてまた転がして新酒かな         小林 健二  
しくじりをゆるし合ふ仲青レモン     富宇賀恭子
秋燈下手に馴染みたる電子辞書        山崎 京子
放牧の牛の焼印秋夕焼          羽田野和江
添水鳴る途絶えし詩の甦る          青柳  勝 
句書積みて吐息のもるる長き夜        渡辺 市子
言の葉の日ごと増す吾子竹の春       黒川 國子 
小豆煮るじつくり時を重ねつつ       港  寿子