俳句総合誌掲載

〇「俳句界」(文學の森)

2021年12月号 新作巻頭3句   

河瀬俊彦

 二十四の瞳のあそぶ冬の浜

 釣り上げし河豚はたちまち太鼓腹

 冬凪の港へもどる大漁旗

   

〇「俳句」(角川文化振興財団)

2021年12月号 作品8句

川口 襄  「望郷」

 望郷のエンドロールの桐一葉

 水の秋河童は皿を洗ひをり

 生意気な臀をしてゐる水蜜桃

 月影の木犀は香を争はず

 秋爽の波たぶたぶとたらひ舟

 嶺の鷹確と虚空を睥睨す

 沼底を見てきた貌のかいつぶり

 軒氷柱満天の星閉ぢ込めて

   

〇「俳句」(角川文化振興財団)

2021年12月号  令和俳壇12月

井上康明 選 

推薦  河瀬俊彦

 雨乞や島に大きな日蓮像  

佐渡島の日蓮像は、日蓮像としては世界最大だという。干天が続いて、雨乞いの神社の神主が雨乞いをすることになった。懸命な祈りは神にとどくだろうか。島には巨大な日蓮像があるので、功徳の雨が期待できるだろう。