第54回 投句一覧
投句総数 33 句
兼題 : 雪催、淑気、自由題
作者
参加者互選
黒壁の小江戸日暮れて雪催
夜来香
無神論とて神前の淑気かな
悠々
ひとり来て浸かる露天湯雪催
三里
大原の里の味噌蔵雪催
一歩
野火止の木立踏み分け朝若菜
山水
雪催英語メニュウの寿司屋かな
みのり
細君の屠蘇の赤みや今日限り
一陽
北陸の街は雪吊り雪囲い
写心
牛小屋の淡きランプや雪催
愚者
雪催助けはあるか過疎の村
鈴音
祝詞交わす電話の先も雪催
葫蘆
髪切れば首筋侘し雪催
一陽
院を出で安堵の歩幅雪催
悠々
奥多摩の満水の湖淑気満つ
山水
神苑に角振る鹿の淑気かな
夜来香
絵手紙をはみ出す富士の淑気かな
みのり
雲間より昇る曙光や淑気満つ
写心
淑気満つ我慢だけでは明日は来ず
鈴音
淑気満つ氏神様の鈴の音
葫蘆
朱の橋を渡れば満つる淑気かな
一歩
金屏の鶴の飛翔や淑気満つ
三里
白妙の巫女の衣擦れ淑気満つ
愚者
悲喜はみな過ぐる出来ごと除夜の鐘
写心
淑気の天・下(モト)の戸毎の夕餉あり
一陽
自在鉤の鍋の立つ湯気雪催
山水
夭折の自画像冴ゆる回顧展
夜来香
撃ち逃がす獲物を語る猟夫かな
みのり
冬至待ち湯船に浮かぶ黄柚子たち
鈴音
存分に声張り上げて初稽古
三里
煤逃の茶房に捲る週刊誌
愚者
武蔵野の稜線富士へ初御空
葫蘆
越後路に銀の糸織る雪女郎
一歩
小銭もち幼児かけだす三が日
悠々