第53回 投句一覧

投句総数 33 句

兼題 :   木枯、師走、自由題

作者

参加者互選

凩や山河を越へて母の文

写心

木枯や眠れぬ夜の子守唄

鈴音

木漏れ陽の落葉踏む音山ひとり

一陽

木枯の深夜研がれし星ばかり

三里

木枯の袋小路に尽きにけり

葫蘆

木枯らしや見舞い帰りのバスに乗る

みのり

木枯や灯火寂しきアーケード

愚者

木枯しや門なき寺に影ひとつ

一歩

独り居て木枯の夜のココアの香

夜来香

冬夕焼噴煙少し浅間山

山水

木枯に耐へたる一葉力尽く

悠々

赤楓選びて本に挟む吾子

鈴音

給付金の消ゆる速さや暮の市

写心

なかなかに消えぬ埋もれ火十二月

みのり

テレワーク師走の街に人疎ら

夜来香

極月や吐息のごとく過ぐる刻

一歩

教科書の進度気になる師走かな

愚者

背な押せる師走の風となりにけり

三里

師走とや犬も前後に気を配り

一陽

厄避けて重ねる日々や師走来る

葫蘆

極月やLEDの日本橋

山水

季節感失せて巡りし師走かな

悠々

歳時記を閉じて肩掛けかき合わせ

一歩

木枯やコロナに負くる大統領

写心

風呂吹の甘き味噌だれ京育ち

夜来香

粗熱のまだ残りたる帰り花

みのり

半袖の散歩長堤小春風

葫蘆

父在らば今日米寿なり冬の菊

三里

自転車の荷台に余る土大根

愚者

凩の杣道歩む遠筑波

山水

石蕗の花なべて長寿の喪中聞く

悠々

木枯に即席麺は鍋のまま

一陽

迫りくる師走を前に気忙しき

鈴音