第52回 投句一覧
投句総数 30 句
兼題 : 冬近し、とろろ汁、自由題
作者
参加者互選
心もち猫背になるや冬隣
一陽
雨のたび冬の近づく朝かな
葫蘆
妣あればとろろ汁あり粥もあり
悠々
綻びのままに枯れゆく冬薔薇
みのり
吾が影を踏みて遙けき秋遍路
写心
切なげに揺るる暖簾や冬近し
愚者
月なくて漁火のみやとろろ汁
山水
里訛ゆき交ふ夕餉とろろ汁
一歩
冬ちかし白球追うも闇せまる
鈴音
浅草の帰りは爺ジジととろろ汁
一陽
何事も無き日の夕餉とろろ汁
葫蘆
対岸の灯のはや点る冬隣
夜来香
冬近し魚版をたたく若き僧
みのり
とんととんと雨戸うつ風冬近し
一歩
武蔵野の山裾の里柿点々
葫蘆
湯気上る朝の味噌汁冬近し
山水
冬支度妻を邪魔する粗大塵
写心
蕉翁の跡追ふ旅のとろろ汁
夜来香
茅葺の屋根に吸わるる秋煙
一陽
とろろ汁固き心もゆるむかな
鈴音
余生こそ真の人生とろろめし
愚者
楽都からオケの来るらし小六月
山水
冬近し四季の一つを飛ばしけり
悠々
とろろ汁我方円に従わず
みのり
大原女の通ひし小径薄紅葉
一歩
渋皮煮じっくりゆっくり栗愛し
鈴音
自然薯を掘りたる父の一齣
写心
紀州より潮の香連れて干柿来
愚者
幸を呼ぶ家か撓に庭の柿
夜来香
秋出水河は耐へれど橋錆ぶる
悠々