第39回 投句一覧

投句総数 30 句

兼題 :   宵闇、刈田、当季雑詠

作者

参加者互選

宵闇の饐えし匂の裏通り

愚者

宵闇に家路を辿る千鳥足

夜来香

宵闇や子の住まひへと貰ひ風呂

パセリ

宵闇のアッシジにガス灯ほのと燃ゆ

深山苧環

宵闇や三味の音漏るる奥座敷

山水

宵闇や酌めば同郷立飲み屋

葫蘆

ライフライン途絶へし街や秋暑し

写心

宵闇に昔語りの風の音

一歩

車窓より刈田にからす二羽三羽

深山苧環

筑波山へ一直線の刈田道

青鷹

宵闇にフェリーの汽笛包まれり

悠々

営みを終へし刈田の群れ雀

写心

青空に雀遊ぶや刈田原

山水

子と犬と苅田に遊ぶ夕間暮れ

夜来香

この畦は風の通ひ路曼珠沙華

一歩

夕映えの刈田をわたる童歌

愚者

田の神の唄声らしき刈田風

パセリ

刈田にて遊びし子らの年老ゆる

葫蘆

池の辺に集ふ友垣秋時雨

青鷹

順繰りに刈田となりぬ棚田かな

悠々

刈田道風やわらかに道祖神

一歩

さよならを遺して背宵闇へ

写心

母の忌の白檀薫る秋扇

夜来香

浅間路の落葉松しぐれ秋の声

深山苧環

秋夕焼尽きて裾野の町明り

葫蘆

校門の錠を降ろせば虫の闇

愚者

宵闇や水の香匂ふ城下町

青鷹

冬瓜の昭和の匂ふとろみ汁

悠々

にこにこと風受け流す秋桜

山水

大小の頭温泉(ゆ)の面に紅葉宿

パセリ