第38回 投句一覧
投句総数 36 句
兼題 : 葡萄、秋の朝、当季雑詠
作者
参加者互選
威勢良き子の担任の盆太鼓
青鷹
秋の朝きりりと結ぶ靴のひも
深山苧環
一粒のぶどうの甘露薬師堂
一歩
採れたての野菜揃ひし秋の朝
悠々
父母に供ふる葡萄瑞々し
夜来香
葡萄狩る手のひと房の重さかな
葫蘆
朝日浴び翠の透くるマスカット
山水
企みはすでに明らか黒葡萄
パセリ
世の憂さをしばし忘れて酔芙蓉
写心
ボールペンのラバーとろける残暑かな
真珠
秋の朝京の町家で茶の稽古
鈴音
兄よりの葡萄の絶えて久しけり
深山苧環
木漏れ日も諸手に受くる葡萄狩
愚者
秋の朝ミルクホットに替へてみる
真珠
葡萄棚仙洞御所に在りし日々
鈴音
澄み渡る古都の鐘の音秋の朝
夜来香
詩心は素直なこころ青葡萄
青鷹
門口に蝉の骸や今朝の秋
写心
掘割の鯉の雄姿や秋の朝
愚者
遠き嶺の諸手広ぐる秋の朝
パセリ
水色に空明け始む今朝の秋
葫蘆
里山の風の誘ひ小鳥来る
山水
葡萄食む粒を残して小休止
悠々
おくれ毛を指に絡めて秋の朝
一歩
隠沼に高き鳥声秋の朝
青鷹
丹精の朝顔撮りて汽車を待つ
夜来香
星巡り悠久(とわ)のロンドや八ヶ岳(やつ)の秋
深山苧環
八月やきんきんに冷えし部屋出ず
葫蘆
もう未練なしとつくつく法師鳴く
愚者
葡萄吸ふ二人瞳を見つめ合ひ
真珠
ひたひたと影ふゆるなり踊の輪
パセリ
秋の朝カーテン揺らす風抜けり
山水
秋めきてはなむけ言葉「また飲もう」
悠々
楽茶碗鬼灯色に魅せらるる
鈴音
幻の葡萄ありとや旅の空
写心
一口の白湯の甘さや秋の朝
一歩