第37回 投句一覧

投句総数 36 句

兼題 :   蟻、夏休、当季雑詠

作者

参加者互選

孫が来る指折り数え夏休み

鈴音

蟻とても風雨強き日休みたり

悠々

夏休み四つ葉探しに日が暮れて

真珠

理科室はお化け屋敷よ夏休み

愚者

ガリ勉や四畳一間の熱帯魚

写心

あれこれと老後のことを蟻の道

パセリ

蟻の列伽藍の影に見え隠れ

一歩

生徒居てこその校庭夏休

青鷹

五右衛門の楼門抜くる蟻の道

山水

うたた寝の脛這ふ蟻やカフェテラス

葫蘆

駄菓子屋に方言混じる夏休み

悠々

汗だくの冷房いまだ新校舎

鈴音

迷ひ蟻避けて塵掃く箒かな

深山苧環

昼も夜も蟻はこの道往き還る

夜来香

悶へをる獲物苦も無く運ぶ蟻

真珠

ブナ林に透く渓流や夏休

山水

目覚むれば臑毛に遊ぶ小さき蟻

愚者

回廊に風渡る午後蝉しぐれ

一歩

フルートや木蔭にぎわふ夏休み

深山苧環

ひたすらに働く蟻の夢あるや

写心

声変はりしさうな剣士夏休み

パセリ

留守宅の砂糖壺へと蟻の道

青鷹

ハッとして降ろせぬかかと蟻の列

鈴音

鮒釣りの技を伝授の夏休み

夜来香

いかずちや不敵な笑みのアスリート

山水

緋の巫女の茅の輪潜りの作法説く

夜来香

「夏休み」に懐ふ母の焦げむすび

葫蘆

風死すや真砂女句集をひもとけば

真珠

アロハオエ青一色の夏期休暇

写心

空青し吾子とバス待つ夏休み

一歩

老鶯に休みの朝風呂の長し

葫蘆

ながむしの渡る棚田や暮れなづむ

深山苧環

蛇の衣ベルト代わりの男の子

青鷹

花苔や淡き目鼻の石仏

パセリ

サンダルを履くや決まって強き雨

悠々

海原を翔る銀翼飛魚(あご)の群

愚者