第35回 投句一覧

投句総数 36 句

兼題 :   虹、鉄線花、当季雑詠

作者

参加者互選

故郷を遠く偲ぶや虹の橋

山水

雨あがる虹立つ京の街明かり

鈴音

鉄線花蔓に心あり命あり

愚者

地味なれどされど一芸鉄線花

悠々

沖の虹くぐり補陀落浄土へと

夜来香

老頭児の見上し虹やうすれ際

真珠

短夜の小鳥はチチと啼きにけり

写心

玻璃皿に光こぼれて虹となる

一歩

虹立つや麺麭(パン)の包みにパリの地図

パセリ

隠れ無き池に相思の通し鴨

青鷹

朝虹の脚より船の帰りけり

愚者

詩の道は虹の彼方へなほ遠し

葫蘆

孤高とはかくも気高し鉄線花

夜来香

虹消えて映画音楽くちずさぶ

悠々

山なみのひと山虹に選ばれし

深山苧環

あぢさゐやびいどろ色のつゆ零し

真珠

孤高めき紫ゆかし鉄線花

青鷹

民のこゑ聞き漏らさずに鉄線花

パセリ

虹立つや鎮魂の海静もるる

写心

友の家備前の壺に鉄線花

深山苧環

鉄線や風に吹かれて古都巡り

鈴音

堂々と孤高に生くやクレマチス

山水

世の穢れ知らぬがごとき海芋かな

愚者

不器用な生き方父似鉄線花

葫蘆

虹二重マチネーあとの並木道

深山苧環

郭公や降つてきさうな四種の花

パセリ

ひとり居の夕べに白き鉄線花

一歩

賀茂川の鮎を味わふ夕餉かな

鈴音

虹二重光うつろふ過疎の村

青鷹

黒揚羽庭の見切りの疾きこと

悠々

青空の俄かに生るるはたた神

山水

鉄線を育てし媼凛と生き

写心

くに近き国道沿いは麦の秋

葫蘆

夏めきて帆布のバック背負いたり

一歩

鉄線を活けて心の定まれり

真珠

緑蔭の句座に交はる児の一句

夜来香