第34回 投句一覧

投句総数 33 句

兼題 :   汐干狩、茶摘、当季雑詠

作者

参加者互選

小さき手にあさり一粒汐干狩

一歩

小でまりを老舗の女将活けにり

悠々

潮干狩飛行機雲に腰伸ばす

青鷹

八十と十八並び茶摘みかな

真珠

汐干狩ふた波三波跡消しぬ

深山苧環

この浦はむかし軍港汐干狩

夜来香

潮干狩子の初めての水平線

葫蘆

どの子にもほほの泥跡汐干狩

愚者

足裏に貝の蠢く潮干狩り

真珠

星屑の煌めくごとき海蛍

写心

吾子よりも夫の専心汐干狩

パセリ

茶摘み唄種蒔く畑に影二つ

一歩

手遊びの飴の行方や茶摘み唄

鈴音

富士望む武蔵野の丘茶摘み歌

葫蘆

茶摘祭畝のあはひに赤襷

青鷹

紅襷茶を摘む技も母譲り

夜来香

汐干狩バケツ高々掲ぐる児

悠々

行く春や五重の塔の宙青し

一歩

潮干狩り磯の香満つる夕電車

写心

海光のゆたかに届く茶山かな

パセリ

茶畑の杭に残れる笠ひとつ

愚者

武蔵野の稜線富士へ春夕焼け

葫蘆

収穫の浅蜊のバケツ呟きぬ

鈴音

初蝶来鎮守の杜の昼下がり

真珠

古民家の馬無き馬屋の春の闇

夜来香

茶摘み終へ辿る家路の茜雲

写心

一番茶香り残りし指の先

深山苧環

新しき夢を育む春の雨

愚者

武蔵野の風の通ひ路藤の花

青鷹

ほんたうは星めざしたき花筏

パセリ

終活てふ過ぎし佳き日の春ショール

深山苧環

母を待つ軒の子燕騒ぎをり

鈴音

茶摘機や紅半纏の運転手

悠々