第32回 投句一覧
投句総数 33 句
兼題 : 黄砂、踏青、当季雑詠
作者
参加者互選
雪国の土待つ思ひ人知らず
写心
黄砂降る籠りて過去に浸りけり
真珠
踏青や蕾の紅くふくらみし
鈴音
大陸を越えし黄砂の庭にふる
葫蘆
哲学の道をくもらす黄砂かな
パセリ
つちふるや結願寺の露天風呂
青鷹
霾や一対一のロスタイム
愚者
霾や昭和の時代遠ざかり
山水
玄奘の大志阻みし黄砂かな
深山苧環
春炬燵医療明細糊付けす
悠々
踏青や自立せし子はカップ麺
写心
洗濯の新妻泣かせ黄砂降る
夜来香
一歩ずつ若きへ帰る青き踏み
真珠
慟哭の記憶新たに春の海
青鷹
黄砂来ず光まぶしき窓辺かな
鈴音
老いゆくは野道ゆくごと青き踏む
葫蘆
踏青や坂東太郎海に出づ
山水
土降るや母に日本の化粧水
写心
特攻の飛び立ちし野や青き踏む
夜来香
八十の媼の宿題青き踏む
パセリ
高麗川の光るさざなみ青き踏む
深山苧環
語らねど分る二人や青き踏む
愚者
蒲公英や再建されし朱雀門
山水
黄砂降る庭へ侵入外来種
悠々
膝笑ひ出すまで青き踏みにけり
青鷹
扉開き清しき笑顔春きたり
鈴音
愛の名の悲しからずや春の雪
真珠
予選会終へて背伸びや青き踏む
悠々
切り株に鳥の饒舌風光る
パセリ
酒含む肴は庭の蕗の薹
葫蘆
白酒や老人会の童唄
愚者
紅白にそれぞれ一句梅の園
夜来香
ショパン弾く孫の横顔風信子
深山苧環