第31回 投句一覧

投句総数 33 句

兼題 :   寒波、薄氷、当季雑詠

作者

参加者互選

高らかな夕べの汽笛寒波来ぬ

愚者

寒波来て列島はいま銀世界

夜来香

丹田を締むる角帯冬一番

パセリ

薄氷の筧にすずめ戸惑ひぬ

深山苧環

風花の静けき国の便りかな

山水

大寒波日本列島縮むやう

葫蘆

悩む人おいでと冨士の初明り

写心

白髪の姉の寒紅つややかに

真珠

薄氷や空に一筋白き道

鈴音

列島を二分し荒らす寒波かな

深山苧環

寒波背に駅伝走者競ひをり

青鷹

寒波来し無沙汰の友と長電話

悠々

薄氷を踏む子避ける子見つむる子

真珠

寒波来し吾子と二人の鯛茶漬け

鈴音

御手洗の薄氷掬ひ朝参り

夜来香

薄氷やうれしき文の届きをり

山水

寒波来去年の悼みを伴ひて

写心

薄氷に身繕ひする雀かな

愚者

薄氷を踏むや消したき咎ひとつ

パセリ

石投げて鯉の現わる薄氷

葫蘆

薄氷に首をかしげる雀二羽

青鷹

薄氷を踏みて順繰り登校す

悠々

寒波来る伽藍の枢鳴りにけり

真珠

冬芽赤し目覚めの時を迎へたり

青鷹

長江の流れの果ての初日の出

夜来香

熱燗や部下の悩みの聞き上手

深山苧環

冬深し藍の明け空月と星

葫蘆

次の代へ伝ふる光歌会始

愚者

約束は薄氷なりや千切れ雲

写心

どこまでも人影見へぬ冬田かな

悠々

外つ国の海を渡りて寒波来ぬ

山水

「幸」といふ村のスナック冬灯

パセリ

初釜や形見の着物袖とほす

鈴音