第30回 投句一覧
投句総数 33 句
兼題 : 初夢、凍滝、当季雑詠
作者
参加者互選
滝氷る森羅万象静まりぬ
青鷹
初夢を見むとてすでに五日なり
悠々
星空を彷徨ふ旅は夢はじめ
葫蘆
凍滝の壺浄土へと続くらむ
真珠
初夢や輝く空に映ゆる富士
鈴音
風花や僻の暮らしの応援歌
写心
初夢や熱き血潮の戻らばや
愚者
初夢や竜宮城の三年間
山水
初夢に父と旅する木炭車
夜来香
平成の終(つひ)の初夢山河晴る
パセリ
月照らす凍滝蒼し奥秩父
夜来香
ほんのりとカーテン白み初寝覚
深山苧環
年の暮友の名を消す住所録
青鷹
初夢や心の一句枕元
真珠
凍滝や水は黙して固まりぬ
悠々
凍滝に一礼し去る托鉢僧
山水
氷瀑の静寂の底に力あり
写心
凍滝や近寄り難き竜のごと
鈴音
凍滝の青さの中に佇めり
愚者
初夢や妻より若き母なりき
写心
一本の滝モーゼの杖のごと凍つる
パセリ
凍滝の滝の響きを聴きにけり
葫蘆
凍滝に鳥のひと声響きけり
深山苧環
冬夕焼青の灯火のスカイツリー
山水
考える人の肩にも散る枯葉
愚者
星冴ゆるサハラの砂紋うねりをり
悠々
年の暮夫れ懐かしや在りし日々
鈴音
寒波来る悍馬(かんば)の息の太く濃く
パセリ
早世の父と一献初夢に
青鷹
黙々と庭師手早き冬至かな
深山苧環
ストーブの薬缶湯気立つ北の駅
夜来香
終電のプラットホーム冬満月
葫蘆
初明かりお神酒捧げて浴びにけり
真珠