第29回 投句一覧
投句総数 27 句
兼題 : 時雨、葱、当季雑詠
作者
参加者互選
時雨るるや母待つ子らの保育園
夜来香
唇の紅き仏と時雨傘
パセリ
葉散らせる古刹の杜や初時雨
山水
あなた誰叔母に問はれし初時雨
悠々
時雨るれば裾絡げ行く芸妓連
愚者
みちのくの古城の天守夕しぐれ
青鷹
小春風銀杏並木は金の雨
写心
越へて来し峠時雨の晴れにけり
葫蘆
ずぼらなりビニル袋の刻み葱
悠々
小夜時雨連いて行かふか行くまひか
真珠
藍色の秩父連山小六月
山水
風花や里の便りはまだ着かず
青鷹
健やかや朝餉に匂ふ根深汁
夜来香
休日の目覚めや葱を刻む音
葫蘆
箱根まで女二人の避寒宿
真珠
初時雨供花も閉じたり無縁墓
写心
手塩なる下仁田葱の不細工よ
パセリ
下仁田葱焼けば脳裡の友笑ふ
愚者
葱無くばなんの馳走ぞ鍋の夜
写心
小春日や中学校の草野球
葫蘆
焼き葱の甘さに気づく年となり
真珠
もどかしき恋の二人や神の留守
夜来香
思ひ出す葱切る音に寝覚めしを
山水
枯草や明日へと続く長い道
愚者
忘年会尽くることなき裏話
悠々
亡き母の愛が芯なる毛糸玉
パセリ
葱下げて媼づかづかバスの客
青鷹