第21回 投句一覧
投句総数 27 句
兼題 : 落花、蛙、当季雑詠
作者
参加者互選
海を向く遭難の碑に散る桜
夜来香
みどり児へ桜ふるふる泣かすなよ
喜楽
花吹雪の帳の中にパラダイス
山水
遠蛙叔母を見舞へど知らず顔
悠々
朽ちかくる農家の縁に花の塵
愚者
露天湯にあふるる程の飛花落花
青鷹
風誘ふ満目の梅遊ぶ雲
写心
昼も夜も夜も昼も花吹雪
葫蘆
春の浜幼児の靴が一列に
悠々
背負ふ子の幾度も問いし遠蛙
真珠
雨催ひは吾の指図と蛙言ひ
山水
石塁の殿様蛙動かざる
青鷹
仕舞湯の我に友あり遠蛙
夜来香
三十年通ふ飲屋の花見かな
葫蘆
春の宵夫待つ宙へゆきし人
真珠
黄昏れの旅路の果や遠蛙
写心
池辺の黙座を通す蛙かな
喜楽
道祖神を守るがごとく牛蛙
愚者
犬走り花びら走り子ら走り
写心
山の端の橙の月遠蛙
葫蘆
寿司折へとめどなく散るさくらかな
真珠
古絵図手に花は上野か浅草か
夜来香
白魚の鎮座まします黒き椀
山水
こつちこつちおいでおいでと雪柳
愚者
花筏夢かと頬をつねりおり
悠々
春凪や富士へ日の道現るる
喜楽
上皇の遠流の島や春満月
青鷹